暦の上では、もう立冬。
季節が巡るのは本当に早い。
紅葉が進み始めたある日、書道展へ出掛けた。
大学時代の友人が出展している三年に一度の展覧会。
前回の作品も圧倒されたが、
今回も素晴らしい作品だった。
『カッコイイ➖➖』『いいわ〜〜』と
心の中で連発!!
とても清々しく・誇らしい気持ちになった。
30年程昔、彼女と初めて出会った日の事をよく覚えている。大学時代のファッションも。
【私には無いものを持っている人】だと直感した。
大らかで華があり、サバサバ系。
優しく強い彼女は、いつも颯爽としていた。
商家に生まれ育った人ならではの、きめ細かな心遣いに、私は何度も救われた。
『筆には人柄が出るさかいね…』会場で、不意に飛び込んで来た、高齢のマダム方の雑談。
『ほんまに。』
目の前の作品を見つめながら、つくづく思った。
一文字一文字が、彼女の積み重ねたものの凝縮であること・嬉しかった事、悲しかった事、様々な人生の機微が詰まっている。
…だからこそ、人の心を動かす。
三年後も、その次も、そのまた次も。
こんな風に彼女の作品から、力を貰いたい。