コロナの影響で私の仕事は当面休業。
否応無しに連休となったが…
自宅にこもって三日目あたり。ふと、こんな感覚が。
『なんか、忘れてる??』
少し前まで覚えていたこと・時期の事柄?
毎日の感染状況に緊張しつつ、バタバタした暮らし から、どうも忘れている事があるよう。
そうして、やっと思い出したのが
【タケノコ】だった!
春の旬:タケノコを、まだ今年は一回も食べていない。ついでに思い出したのが【桜餅】
お花見が頓挫し、こちらも食べ損ねている。
3月頭頃からお店でタケノコ チェックをしていたが、 かなり小ぶりでまだ値が高く・もう少し出回ってからと、待っていた。
その事自体をすっかり忘れていたことに、 ようやく気が付いた。
こうなると、どうしても食べたい!
馴染みのスーパーの店員さんに聞いてみたが…
今年はタケノコ自体の出来があまり良くなく、 出回っている数も少ないとのこと。
それでも、食べたい!
色々頭を巡らせ思い出したのが、マスクの旅の途中で 見つけた小さな八百屋さん。 さっそく行ってみる事にした。
欲しいタケノコのサイズや部位のこだわりを説明して いるうちに、店主の方と意気投合!
午後1時半頃に、たまたま掘り立てが入荷する事を 教えてもらった。
タケノコ愛が勝ったのか?
旬のもんへのこだわりが熱かったのか?
"おまけ "で、瀬戸内の柑橘類を頂いた。 愛媛に太いパイプがあり、果物もお店の推しだそう。 まずは京都産・朝堀りタケノコがターゲット。 午後からまた伺う事を約束し、他の材料の用意のため お店を後にした。
炊き合わせる新物のわかめ、お揚げを準備。
そして1時半ピッタリに再訪店。
少し待ったが…バンに積まれてやって来たタケノコを見た時、拍手してしまった。
『どれでも、お好きなんどうぞ!』と言われ、
さっそくチョイス。
『ええとこ、選ばはんなぁ〜』と言われ、 美味しい事はお墨付きを頂いた。
タケノコを炊く時には 灰汁 (あく) 抜きのために " 米ぬか " と" 鷹の爪 "がいる。
タケノコを買うと大体のお店では、無料で付いてくるのだが…こちらでは " 玄米 "での灰汁抜きを提案されていた。少量の玄米を頂き、私もこの方法で試す事にした。
お日様の匂いがする柑橘類、お大根も人参も美味しそうだったが、まずはタケノコ仕事だと急いで帰った。
外側の皮を剥いて、ざっくり切れ目を入れる。
大鍋にタケノコ、今回は玄米と鷹の爪を入れて炊いて いく。 " ぬか "の時はボコボコと濁った大きな泡が出て地獄炊きのようだったが…玄米だと参鶏湯のよう?? お鍋を冷ましながら、ちょっと不思議な気分になった。
京都の旬のおかずでは『タケノコの炊いたん』
全国区では『若竹煮』と呼ばれると思う。
タケノコの炊き上がり具合、わかめの食感や色合い… 実はとても難しく・好みが分かれる。
我家好みは、わかめのトロミが出るくらいに炊き上げる。お揚げと絡んでより旨味が増すから。 この日の出来栄えは上々・大満足!
( 地味な絵面なため写真は割愛 )
心底ほっこりと、味わった。
京都人の意外な弱点…それは体内時計ならぬ 『季節時計』が、狂うことかもしれない。
時期のもん・旬のもんが欠けてしまうと かなりのストレスを感じる。
新緑を愛でて、お節句の柏餅。 無病息災を願い合う、水無月。 祇園祭りの頃にはいつものように、 みんなで賑やかに過ごせますように。
自粛令や緊急事態宣言、収束までの出口はまだまだ見えないが…コロナに飲み込まれないよう、頑張ろう。 今できることを頑張ろう。