小雪の日。ある相談会に参加するために、大阪へ。 その前に、セミナー講師養成講座の同期とランチ。 彼のパワフルな話しぶりに、ぐいぐい引き込まれた。
一昨年に一緒に講座を受講していた頃は、大手製薬会社の管理職をされていた。昨年早期退職をされ、これからは営業職でのスキルを活かして、セミナー講師・コンサルタント業に進まれるよう。同期とはいえ、年齢も会社員としての経験値・社会的信用度合いも、私よりはるかに上の方だ。
初めて会った時、私は彼の時計に密かに注目していた。仕事柄どうしても、相手の身に付けている物に目が留まる。そして、そこからその人の『着こなしの歴史』が見えてくる。女性より男性の方が顕著に現れる。
特技と言えるかは疑問だが…
職業・趣味・文系か体育会系か、育って来た家族構成までを、ほぼ当てる事ができる。
会話の物腰からも当てる事もでき、タクシーに乗る際はそこから運転手さんとコミュニケーションを取る。そのおかげか?500円位は、いつもおまけをしてもらう。
友人から『タクシーヴィーナスやん!』と、トラックヴィーナス:八代亜紀さんになぞらえて、よく笑われた。
話しが横道にそれたが…
当日の彼の着こなしは、こちら。
マットな生地感のネイビーには、清潔感・品の良さがある。フードのファーや差し色の赤いバッグも、それぞれのアイテムを引き立て、上質な素材を使っているからこそ、大人の日常感を底上げしてくれる。
実は、50代以上のダウンスタイルは、意外と難しい。側生地の素材・丈感・色のバランスがとれないと、 カジュアルな印象かスポーツ路線に偏ってしまう。
この日のダウンなら、タウンユースから旅行、セミナー講師としての打ち合わせの場くらいのビジネスシーンにも活躍するはず。素敵なチョイスだと、写真を撮らせてもらった。
彼の着こなしは、いつも楽しそうだ。
会社員を卒業した夫が、突然大きなシルバーのアクセサリーを付けたり、帽子まで被り出し『イチビッて、困る!』という相談をされた事がある。"イチビる"とは 関西弁で、粋がる・張り切る・ハッスルし過ぎる的な 意味。
家族からすれば突然変異的なイチビりでも、ご本人からすれば、自分を解放して、新たな場所に向けての心の現れだと思う。
心は大きく飛び立ち、テイク・オフ!おしゃれの着地は、ぼちぼちのソフトランディングが望ましい。
新たなライフスタイルに合わせたり、これまでの人生が素敵に投影されるような着こなしを見つけて欲しい。
今の自分を語れる、誇れる。
そんな着こなしを手に入れて、
家でも会社でもない、『第三の場所』へ乗り込もう!
セカンドステージに向かう、世の大人男子に
勝手にエールを送った。