あてなるもの

大人京都人視点日々色々

私のお腹も、コンチキチン!

祇園祭宵山の日曜日。

ちょうど一週間前に入院し、なんとか週末に退院することができた。

外科手術を必要とする初めての入院生活は、まるでリアル【コード・ブルー】のようだった。

まずは完璧な段取りで、ひとりで入院。

迎えに来てもらったMKタクシーは、タクシーランプも付いていない・見た事がない黒塗り&雅な仕様で、まるで御料車のようだった。

運転手:徳田さん曰く、こんなにゴージャスでも通常料金だそう。キャリーバッグとリュック・愛用の枕を積み込んで、車内の会話も弾み、病院に乗り込んだ。

外来ではわからなかったが…入院病棟は想像よりかなり古く、昭和世代の私には逆に落ち着く感じだった。個室病室の広さは申し分なく・レトロなランプも私好み。お食事もなかなか美味しく、添えられていた果物の質の高さに、びっくりしたくらいだ。

さてさて、順調だったのは、この前日まで。

手術当日に事件が起こった!!

朝7時、担当執刀医の若手イケメンDr.が挨拶にきて下さった。韓流スター?かと思う美肌な先生なのだが…朝だからか、とてもお顔が白く見えた。私の年齢からすると、きっと息子世代。

予定入院の場合、『経験を積んでもらうために若手が担当医になる事が多い』と事前に掛かりつけ医から聞いていたが…Dr.も看護師さん達もお若く・シュッとされ、ドラマの登場人物みたいだった。

事件は、9時過ぎに起こった。

なんと、数時間前に会った担当執刀Dr.が体調不良に。突然の執刀医の変更!!

びっくりしたが…朝のあの"ほの白い"顔色にも納得、体調不良を我慢して病室を覗いて下さったことに、胸が痛んだ。

結局誰に切ってもらえるか?は、予定よりズレた手術時間に、手術室に行く途中に聞かされた。

『担当は〇〇先生かもね?』と入院前に家族と話していた、私と不思議な共通点がある外科エースDr.が手術して下さることになった。

安心感と麻酔から、そのまま意識は遠のき、目覚めた時は、病室のベッドの上だった。

手術時間は、当初の予定の半分。傷口もきれいだ。さすが!エースの仕事、完璧な手術だった。

傷口の痛みよりも…真の敵は、高熱と持病の逆流性食道炎だった。

絶食が続いたせいか?胃痛と背中への放散痛、高熱からギシギシくる関節痛や気持ち悪さ。愛用の大きな枕で背中を起こして、症状をやり過ごす。

お腹の痛みは複数箇所。

『コンコンチキチン、コンチキチン!!』と、さながら祇園囃子のように、あちこちからエンドレスで響いていた。

思いのほか高熱に悩まされて、ぐったりの私。

今回のトラブルについてDr.方が謝罪に来て下さり、疑問や懸念に対してもしっかり対応して頂いた。その対応はきっちり看護師の方々にも伝わっているようで『大変でしたね』『ご心配でしたね』『色々ご迷惑をお掛けしました』と、私の病室に出入りされる方全てが、退院までの間ずっと気遣って下さった。

指導看護師さんとお弟子さん、看護実習生、男性看護師さん、お掃除職員さん。色々な方と会話をするうちに、まだまだ日本の医療の未来は明るい!と、急に大きな事を考え出した。

どうなる事かと思った入院生活…結果は、人の優しさが沁みた6日間だった。

 

医療現場は心身共に、実に過酷だ。

小さな判断ミスが何重にも不具合を生む。

取り返しがつかない苦しみや後悔、患者の生命や人生に大きく関わっていく。

そんな中、今日この瞬間にも医療従事者を志す全て方々へ。心から、ありがとう!と感謝を伝えたい。

次回の外来受診では『おかげ様で、こんなに元気になりました!』と、改めて御礼が言えるよう、全力で身体を整えたいと思う。

 

 

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あじさいと、賀茂茄子と、、、

やっと6月、まだ6月。

4月からの食事制限がずっと続く中、病院側の事情と仕事の都合で、手術の日程が7月に延びた。

この2ヶ月間【江戸時代】のような食生活。

きれいに3キロ痩せた。

病院でお腹の画像を比べると、見事なダイエットだと思う。消化器官への負担がなくなり、痛みもなんとかお薬を使わずにコントロールできるようになった。軽くなった身体はよく動き、頭も冴えている。

『もしかして、こういう食事が身体には一番合っているのかも?』とさえ思いだした。

とはいえ、お出汁やお醤油・塩味メインの味付けが2ヶ月も続いてくると、レパートリーも底をつき飽きてきた。

求めるのは…食べ応え&コッテリ感。

あっ!と思いついたのが『賀茂茄子の田楽』

焼き茄子や茄子の素揚げは、おそうめんのお供など夏の食卓にはよく出していたが…賀茂茄子を使うのは、本当に久々。

京野菜がブランドのように言われだしてから?値段も上がりちょっと縁遠くなってしまった気がする。

思いつきの献立は、胃袋が求めているから。

まるまるとした立派なお茄子をこんがり焼きながら、香りと焼き目にワクワクする私。

"本当に食べたいもの " にフォーカスしたり、旬の食材を深掘りしたり…体調が悪くなったことで、こんな感覚を持つことができた。

ゆっくりと生活を見直す中で、毎朝ベランダのあじさいを楽しみに眺めたりする。

あじさいが気になりだすと、出先のあちこちで見かけるようになった。

バスの車中でも、あじさいの束を見るなんていう不思議なことにも出くわした!

苦手な梅雨。

今年は、優しく静かに過ごす特別な季節に。

こんな時だからこそ、6月の良さに気付けたのかもしれない。

 

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只今、入院準備中!

立夏の満月。気が付けば、もう5月!

駆け込みで『藤右衛門さん』の桜を見る事ができ、幸先の良い新年度のはずだったが…思いもよらぬトラブルが発生した。

疲れとストレスで体調が悪くなり、痛み止めを使って4月を乗り切るも、5月末には手術をする事になったのだ。

今週・来週は検査ウィーク。絶食続きの、ガッカリなゴールデンウィークに…。

すでに4月から厳しい食事制限を行い、特に今週は、消化の良いほぼほぼ"白い食べ物 "しか口にしていない。大好きなパンは、バターもマーガリンも無し。食パンオンリー・ほんの少しの蜂蜜だけの毎日。

世の中の美味しい食べ物は、茶系色の物が多いと気付く日々でもあった。

手術という段取りになった時、不思議と頭にあの話しが浮かんだ。

結婚式のスピーチでお馴染みの【人生の3つの坂】

人生には上り坂、下り坂、そして "まさか"があるというお話し。

私の"まさか"は、こんな感じで訪れた。

手術でスッキリして、次のまさか!は、ポジティブな『ワォ!!』な、まさかでありますように☆

 

"藤右衛門さん"立ち合いのお花見

やっと横殴りの雨が止んだ、今日。

桜がどうなったのか?やっぱり気になり、朝から出掛けてみた。

行き先は…桜守【佐野藤右衛門さん】のお宅。

台風での桜のダメージやコロナの感染対策で、ここ数年、藤右衛門さんのお庭の桜を拝見することはできなかった。

今年は、もしかしたら?と、期待を込めて向かう。

敷地内を覗き込むと、去年のような"立ち入りお断り"的な看板も無い。

『ええの? あかんの??』

お花見をさせて頂いても大丈夫なのか?判断がつかないまま、そろりそろりとお庭に向かう。

雨で散った花びらを踏みながら進むと、聞き覚えのある声が、、、

庭石に腰掛けてお電話中だったのは…なんと、

藤右衛門さんご本人だった!!

お変わりなくお元気そうなご様子に、とても嬉しくなった。

お電話が終わるのを待ってから、藤右衛門さんに、ご挨拶。

桜やお花見について尋ねてみると…

『そろそろ、ええかいなと思て』とのこと。

色々なことが落ち着いてきたので、今年はやっとお庭を開放して下さるよう。

夜のお花見については…『気がむいたらなぁ』と、いうことだった。

藤右衛門さんは4月のお誕生日で、御年95歳。

草刈り作業の途中でのお電話だったらしく、キレのある動きで、藤右衛門さんはブンブンと草刈りを進めて行かれた。草刈り機だけでも重いはずなのに、疲労感は全く無し!

かがり火の灰が舞ってくる中でも、怯むことなく薪をくべられていた。

やっぱり藤右衛門さんは、レジェンドだ。

お庭の桜はまだ蕾のものも多く、明日以降もまだまだ楽しめる。様々な種類の桜が順に満開を迎える。何層にも重なった桜の風情も格別だ。

数年ぶりにお庭に入れて頂いて、改めて気付いた。

藤右衛門さんのお庭の土は、フカフカしている。

どの桜の下も、こんもりフカフカの土に覆われている。柔らかくて養分がたっぷりの土。

植物と太陽、雨や風、豊かな土がブレンドされた独特なお庭の香り…桜の美しさは、自然との調和があってこそなのだろう。

妖しい桜、迫力ある桜、雅な桜、京都の桜の名所は数え切れないほどある。 

藤右衛門さんのお庭の桜は、脈々と続く自然と人の営みを感じることができる優しい桜かもしれない。

 

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『ぬきうち』の満開!!

あっという間に3月。

梅を愛で、寒さも行きつ戻りつの、三寒四温

ぼちぼちに、ぼちぼちに…そんな風に桜の開花を楽しみにしていたのは数日前。

それが、たった一日で京都の桜が満開になってしまった!!

通勤途中、つぼみだった河原町丸太町の交差点の桜も、こんな感じ。

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なんとなく山の方を眺めても、霞がかったようなピンクの軍団を発見…東も西もとにかく桜が一気に咲き始めた!!

まさかの『ぬきうち』の満開!!

肌感覚でギョっとしたが…統計開始以来最も早い開花だと、夕方のニュースにも上がった。

今年こそは、大好きなお花見スポットでマスクを外して満喫しようと思っていたのに。

週末の雨予報と合わせて、ショックしかない。

 

どうなる桜?

どうする私??

 

取り急ぎ、京都の桜はお早目に!!

 

 

寒波の夜 、幸運の四つ葉タクシーで。

全国的な大寒波。京都でも大混乱となった。

24日(火)の夜。

いつもの帰宅ルートでバスに乗ったが、進めたのは途中まで。地吹雪がひどいからか、乗り継ぐはずのバスが一向に来ず。

白い世界…車そのものが走っていなかった。

バス停にはある程度の人がいたので、ほっとした。市バスではなく、京都バスを待っている人のよう。直ぐに京都バスは到着し、市バス組の私だけがバス停に取り残された。

その瞬間、雄叫びが聞こえた。

『あー!失敗した!!行ってしもたっ!!』

少し前までバス停にいたと思われる人が、バスに乗り遅れてしまったよう。大声を出したのでバツが悪かったのか、マスクを鼻下にズラし私の顔を見て、苦笑い。

昭和の頃、お馬の歌を唄っていた【山本コウタロー】さんに似たオジさん。

いやいや、この人に構っているヒマはない。

どんどん雪が吹き殴り、今のうちに帰らないと大変なことになる。

必死に目をこらし、遠くから薄ぼんやりとした車の灯らしきものに手を挙げたら、タクシーだった。

これで助かった!!と急いで乗り込もうとしたが…一応オジさんにも行き先を聞いて、相乗りしますか?と声を掛けてみた。

ええんですか!乗せてもらおっ!と、即答のオジさん。こうして私は吹雪から脱出した。

行き先を告げタクシーが動き出すと、またマスクをずらしたオジさんが運転手さんに喋り続ける。

しっかり着用するようにと、促す私。

お喋りにエンジン全開のオジさん。

自分で乗車させたものの、この辺りからちょっと、この人に困惑した。

そのうちに、オジさんの乗り遅れた京都バスを追い抜かした。

『あのバスでしたよね?今でしたら、乗り継げますよ!』と話し掛けてみた。モゾモゾするオジさんに、タクシー代は不要である事を伝えると、とても感謝された。バスに乗り継ぐオジさんを横目にタクシーが走りだす。

『会社関係の方ですか?』

運転手さんから、オジさんとの関係性を尋ねられたので、相乗りの経緯を話した。

『良い事されましたね〜。それもこんな吹雪の日に…やっぱりね〜。』と、運転手さん。

何がやっぱり?オジさんと赤の他人ってこと?

すると、『さっきの方にはお渡ししませんでしたが、コレ。このタクシー " 四つ葉"なんです。』と、ステッカーを頂いた!

全く気付かなかったが、私が乗ったのは…

【ヤサカタクシー】さんの幸運の四つ葉タクシー。こんな日に乗るなんて…本当にビックリだ。

四つ葉のタクシー。実は私は、これまで2回乗っている。

初回は18年前、2回目はこのブログをはじめた2017年。

"粋な逸品"というタイトルのブログの中に登場する。

今回で3回目、全て違う運転手さんだ。

4台しか存在しない四つ葉タクシーの運転手さんは、選ばれし方々。

『四つ葉だったこと、さっきの方にも教えてあげたら良かったですね。』そんな風に私が言うと、

『あの人は、あの状況で相乗りさせてもらえた事だけで、十分ラッキーでしょう!』とのこと。

その口調から、運転手さんもどうやら私と同じように、あのオジさんに困惑されていたよう。

『運転手さん、私も途中からあの人を心の中でオッサンと呼んでしまってました、、、』と、打ち明けた。

吹雪の夜・不思議な流れで、私に巡ってきた

幸運の四つ葉タクシー。

オジさんを途中下車させたので、完全な善行ではなかったけれど…

寒い夜、何か恩返しをしてもらったような?

日本昔話の主人公になった気分での乗車だった。

 

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BIGなお年玉

あっという間に、もう大寒

叔父の件で思いがけぬスタートとなった2023年。友人達へのLINEには、松の内があけてから近況を伝えるつもりでいた。

そんな中、【BIGなお年玉】を頂いた!

なんと、昨年度の功績に対して、会社から私が表彰されるというビックリな出来事が起こった!!

振り返ると、2022年は我が家の『介護元年』でもあった。

デイサービスの送迎・通院のため、できるだけ曜日を絞った固定休にしてもらった。

色々とご協力を頂いた職場に、絶対に迷惑を掛けてはいけない!と頑張った結果、表彰という凄いご褒美が舞い降りて来た。

人生、何が幸いするか?!本当にわからないものだ。

53歳での表彰。晴れがましい場を用意して頂き、立派な賞状と記念品を頂いた。

受賞そのものは、もちろん光栄だったが…

『ちゃんと私、頑張れてるから』ということが証明でき、安心してもらえる親孝行になったことが嬉しかった。

 

私に過分な賞を授けて下さった会社へ。

働きやすい職場環境を整えて下さった上司と仲間。

入社以来これまで支えて下さった全ての方々に。

心から感謝申し上げます!!

ありがとうございました!!

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