あてなるもの

大人京都人視点日々色々

寒波の夜 、幸運の四つ葉タクシーで。

全国的な大寒波。京都でも大混乱となった。

24日(火)の夜。

いつもの帰宅ルートでバスに乗ったが、進めたのは途中まで。地吹雪がひどいからか、乗り継ぐはずのバスが一向に来ず。

白い世界…車そのものが走っていなかった。

バス停にはある程度の人がいたので、ほっとした。市バスではなく、京都バスを待っている人のよう。直ぐに京都バスは到着し、市バス組の私だけがバス停に取り残された。

その瞬間、雄叫びが聞こえた。

『あー!失敗した!!行ってしもたっ!!』

少し前までバス停にいたと思われる人が、バスに乗り遅れてしまったよう。大声を出したのでバツが悪かったのか、マスクを鼻下にズラし私の顔を見て、苦笑い。

昭和の頃、お馬の歌を唄っていた【山本コウタロー】さんに似たオジさん。

いやいや、この人に構っているヒマはない。

どんどん雪が吹き殴り、今のうちに帰らないと大変なことになる。

必死に目をこらし、遠くから薄ぼんやりとした車の灯らしきものに手を挙げたら、タクシーだった。

これで助かった!!と急いで乗り込もうとしたが…一応オジさんにも行き先を聞いて、相乗りしますか?と声を掛けてみた。

ええんですか!乗せてもらおっ!と、即答のオジさん。こうして私は吹雪から脱出した。

行き先を告げタクシーが動き出すと、またマスクをずらしたオジさんが運転手さんに喋り続ける。

しっかり着用するようにと、促す私。

お喋りにエンジン全開のオジさん。

自分で乗車させたものの、この辺りからちょっと、この人に困惑した。

そのうちに、オジさんの乗り遅れた京都バスを追い抜かした。

『あのバスでしたよね?今でしたら、乗り継げますよ!』と話し掛けてみた。モゾモゾするオジさんに、タクシー代は不要である事を伝えると、とても感謝された。バスに乗り継ぐオジさんを横目にタクシーが走りだす。

『会社関係の方ですか?』

運転手さんから、オジさんとの関係性を尋ねられたので、相乗りの経緯を話した。

『良い事されましたね〜。それもこんな吹雪の日に…やっぱりね〜。』と、運転手さん。

何がやっぱり?オジさんと赤の他人ってこと?

すると、『さっきの方にはお渡ししませんでしたが、コレ。このタクシー " 四つ葉"なんです。』と、ステッカーを頂いた!

全く気付かなかったが、私が乗ったのは…

【ヤサカタクシー】さんの幸運の四つ葉タクシー。こんな日に乗るなんて…本当にビックリだ。

四つ葉のタクシー。実は私は、これまで2回乗っている。

初回は18年前、2回目はこのブログをはじめた2017年。

"粋な逸品"というタイトルのブログの中に登場する。

今回で3回目、全て違う運転手さんだ。

4台しか存在しない四つ葉タクシーの運転手さんは、選ばれし方々。

『四つ葉だったこと、さっきの方にも教えてあげたら良かったですね。』そんな風に私が言うと、

『あの人は、あの状況で相乗りさせてもらえた事だけで、十分ラッキーでしょう!』とのこと。

その口調から、運転手さんもどうやら私と同じように、あのオジさんに困惑されていたよう。

『運転手さん、私も途中からあの人を心の中でオッサンと呼んでしまってました、、、』と、打ち明けた。

吹雪の夜・不思議な流れで、私に巡ってきた

幸運の四つ葉タクシー。

オジさんを途中下車させたので、完全な善行ではなかったけれど…

寒い夜、何か恩返しをしてもらったような?

日本昔話の主人公になった気分での乗車だった。

 

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